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一人ブレストのやり方

  ブレーンストーミングは通常、発想の異なる数人で行うアイデア発想法の技術ですが、このすぐれた方法を一人でできないものか、とは誰もが考えることです。

 そこでブレストで重要な4つのポイントを思い起こしてみましょう。

@質より量
A奔放な発想、突飛なアイデア
B他人のアイデアに便乗は大いに結構
C批判の禁止


 以上のうち、BとCは一人でやるのですからまったく問題になりません。問題はいかに奔放な発想、突飛なアイデアを大量に出すかということです。

 そのためには、「ブレストで成果を得る理想の人選とは」で述べたようなメンバーを、自分ひとりで演じなければなりません。ボケ役を演じつつ、優等生になったかと思えば、次には個性的な発想の持ち主になるわけですね。人格や性格はそう簡単には切り替わりませんから、それなりの作為的なテクニックが必要になります。

 まずは、出し尽くすところまでは一切の価値判断をしないこと。これはそう難しいことではありません。一人で考える分には、どんなばかげたことでも言える(実際にはメモを取る)からです。思うに任せて、自由連想を楽しみ、本題から外れることも気にしません。

発想を根本から変える4つのテクニック

 問題は行き詰まったときです。一人ブレストを始めてまもなくその瞬間は訪れます。そこで、ものの見方を変える様々なテクニックを駆使することになります。古来からいろいろな人がやっていることで、目新しいことではありませんが列挙してみましょう。

@空間的な視点を変えて考える


 たとえば、円錐は真横から見れば三角形、真下から見れば円、真上から見れば円に中心点がついている、というように見る角度によって、まったく違う見え方になります。それを発展させれば、置く場所や使う環境をまったく別のところに移したらどうなるか、という発想にもつながります。

Aズームアップ、ズームダウンをして見る


 通常の距離より思いっきり接近する。あるいは遠くから俯瞰して眺める。これだけで物事の本質が変わって見えるかもしれません。人間だったら相手の懐に飛び込むか、逆に、個人的感情や先入観を一時的に排除して冷徹に観察する。すると、まったく気づかなかった一面が見えるはずです。

B内部または外部から見る、あるいはひたすら表層を追う


 物事や事象を外側から見るのと、内側から見るのではまったく事情が異なります。会社内の問題なら、社内的な発想から抜け出し、取引先あるいは顧客の側から見るということです。

 また表層を追うとは、形や構造や目的、機能などを一切無視して表面を観察するという意味です。物の場合なら、ざらざらしているとか、冷たい、柔らかい、青緑色に光っている、波形の模様がある…など。社会問題の場合は、意味とか価値という発想から消抜け出し、まったく表面的な現象にこだわって、その属性をピックアップします。

C主題とはまったく無関係の、任意に選んだ単語から連想される属性を結びつける


 いったん主題から離れ、およそ共通点はないだろうと思われるものから発想するテクニックです。突飛な考えを生むには適した方法です。

 4番目の方法は補足が必要でしょう。たとえば、テーマと無関係な単語が「カニ」だったとすると、まずカニから思いつく属性を次々と思い浮かべてゆきます。私が試しに連想したのは次のような言葉(事柄)です。

〔カニからの連想〕

2つの大きなハサミ、横歩き、泡を吐く、目が外に飛び出している。硬い甲殻、足が10本、どうやって脱皮するのか、エビに似ているのに尻尾がない(?)、足長の高足ガニ、熱を加えると赤くなる、ボイルして食べる、カニ専用ハサミ、食事が無口になる、カニみそ、甲殻が容器になる、鍋物(ダシにも)、北海道旅行、キチン・キトサン健康法、カルシウム、猿蟹合戦、カニばさみ(プロレスの技)、クリスマス島のカニの大移動、ヤドカリ、ザリガニ……

 以上の単語ないし事柄を、新商品の開発や製品の改良、出版企画、業務上の問題の解決、発明・実用新案、各種プロジェクトのテーマ…などにぶつけるとどんな発想が生まれるか。何も思いつかなかったら、もう一つ別の単語でやってみます。

メモの分類・整理とアイデアの発展・再構築

 なお、一人ブレーンストーミングも通常のブレスト同様に、思いついたもののほとんどがそのままでは使い物になりません。でも、そこであきらめてはブレストをやった意味がありません。

 それを生かすには、たくさんのメモを分類、整理していく過程で、合体や分離を繰り返し、その中からいいアイデアに発展させていく第2の作業が必要になります。この段階ではある程度現実的な判断を加味し、不完全でもかまわないので一応の形にします。

 私の経験では、検討に値するものが全体の1割程度、さらにその中から具体的な企画の形になるものが1割〜3割というところでしょうか。まずは質よりも量。凡人は、アイデアをたくさん出さないことには勝負になりません。 

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