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3大記憶術の方法ガイド

  イメージ連結法(結合法)  基礎結合法  イメージ変換法

記憶術の原理は「イメージ化」と「結合」の2つだけ

 記憶術はどんなに高度なものでも、たった2つの原理で成り立っています。それは、

「言葉をイメージ化する」
「2つのイメージを結合させる」


の2つです。

 まず、言葉のイメージ化についてですが、私たちの脳は言葉そのものを覚えるよりも、言葉を視覚的にイメージして覚えるほうがはるかに記憶に強く残るようにできています。記憶術はそれを利用しているのです。

 もう一つの原理、「2つのイメージを結合させる」ことは、記憶術独特の技術です。暗記項目を「短時間で確実に長期間記憶するための仕掛け」と言い換えてもよいでしょう。

3大記憶術とは?

 記憶術は細かい応用技術まで挙げれば実に多彩なテクニックがありますが、シンプルに分ければ、イメージ連結法,、基礎結合法、イメージ変換法の3つに集約されます。

 イメージ連結法は「イメージ結合法」とも呼ばれます。また、これを「ドッキング法」と言い換えても、その本質が変わるわけではありません。

 基礎結合法は、戦後に記憶術を普及させた最大の功労者である故・渡辺剛彰氏の命名によるもので、「ローマン・ルーム法」「シモニデスの記憶術」「場所法」などと呼ばれるものは皆、基礎結合法と同じ方法です。

 イメージ変換法の数々の技法を総称する名前は他には見当たりません。そもそもこの方法について体系的に説明した書籍がほとんどないので、そうした現実が反映されているのかもしれません。しかし、記憶術の実用的な応用という面でいえば、実はイメージ変換法のテクニックが最も重要です。

@イメージ連結法(結合法)がすべての基本


 単語(キーワード、重要用語)AとBを関連づけて覚える場合、イメージAとイメージBを結合させてストーリーを作る方法です。AとBの関連性がなければないほど、イメージ連結法は大きな効果を発揮します。

 たとえばA「カラス」とB「スイカ」をセットで覚える場合なら、

 イメージ例:「カラスがスイカをくわえて飛んでいる」

というようなイメージを頭に描くことによって、カラスからスイカを容易に連想できるようになります。

☆詳しい解説は本サイト「初めての記憶術レッスン&練習問題」以下をご覧ください

A基礎結合法―複雑なことを覚えるのに必須

 基礎結合法は、覚えるべき項目をあらかじめ用意した「順番を絶対に忘れないリスト」に一つずつ結びつけて覚える方法です。結びつけるやり方は上のイメージ連結法とまったく同じです。

 基礎結合法は記憶術の中心的な技法となるものですが、唯一のネックは絶対に忘れないリスト(これを基礎表と呼ぶ)をたくさん用意しなければならないことです。そのため、「暗記する前に、もう一つ余分なことを覚えなければならないので、ばかばかしい」などという記憶術への誤解や中傷が一部でささやかれることになります。

 しかし、基礎表の数を増やすことも、記憶術の技術の一つです。たとえば、基礎結合法を説明するときによく使われる「体の部分」(@頭、Aひたい、B眼、C鼻、D口…)や十二支の他に、「通い慣れた道順」があります。いくつ作れるかはかなり個人差がありますが、アイデアや技術次第で基礎表を数百項目以上作るのはそう難しいことではありません。

 なお、基礎結合法に習熟すると、一度に50〜100項目を順番に覚えられるだけでなく、イメージ連結法と組み合わせたり、基礎結合法を2つ組み合わせたりして、より複雑な系統樹になったチャートや表組を覚えることができます。

Bイメージ変換法の修得が記憶術応用のカギを握る

 記憶術を受験対策などに応用しようとすると、「覚えるべき項目がイメージできない」ということが生じます。たとえば、日本史などの人物名や事件名・作品名、外国の地名や人名、化学物質名、難しい法律用語…などです。

 イメージ変換法の最もシンプルな方法は、その言葉を代表する具体的なものに置き換えることです。たとえば、「実験」という抽象名詞なら、「試験管」や「フラスコ」などに置き換えてイメージします。

 その他、その単語から真っ先に連想される別の単語に置き換えるとか、語呂合わせによりイメージ化する方法があります。こちらのほうがより確実で、イメージ変換法の本流です。

 例えば、千円札の肖像画にある「野口英世」は誰でもイメージできますが、「高嶺譲吉」はイメージできないでしょう。その場合、昔の女優の高嶺秀子を知っている人なら、彼女にイメージ変換することができます。しかし、いまどき高嶺秀子を知る人は少ないでしょう。そうした場合は、「高い峰(嶺)」をイメージします。

 イメージ変換法の正解はたくさんあり、年齢や趣味、語呂合わせの感覚などによって異なります。だから、公式化された技法をいくつも知るとともに、使い方になじんでおく必要があります。

イメージ変換法についてもう少し知りたい方は⇒ 記憶術のやり方/イメージ変換法

その他、数字記憶法、英単語記憶法について

 イメージを利用したあらゆる記憶術は、どんな複雑なものでも上に説明した3大記憶術を組み合わせたものにすぎません。でも、「数字の記憶はどうなるのか?」「英単語記憶術は3大記憶法とは異なるのではないか?」という疑問をもつ方もいらっしゃるかもしれません。順番に説明していきましょう。

 数字記憶法は、記憶術の一般的な方法では2桁ずつ数字を区切って、イメージできる単語に置き換えて覚えます。数字を言葉に変換する技法は、イメージ変換法の特殊な例にすぎません。

 数字の変換方法については、日本人になじみの語呂合わせ法と、渡辺式の五十音変換法、及びそれらをアレンジした発展型があります。語呂合わせ法なら特に覚えておかなくても、2桁ならとっさに単語が出てくるでしょう。たとえば、53なら「ゴミ」、47なら「竹刀(しない)」という要領です。2桁区切りで変換するのは、変換に時間やアイデアを必要としないためです。

 英単語の記憶法はどうでしょうか。これもイメージ変換法の応用で解決します。英単語を日本人特有の訛り方で無理やり語呂合わせします。才能のない方はトレーニングが必要になりますが、書店で売られている、他人の考えた語呂合わせよりも覚えやすいことは確かです。英語圏やラテン系の地名・人名の語呂合わせに習熟すると、英単語もやさしくなります。



 最後にまとめると、記憶術はいろいろな方法があるように見えても、とどのつまり、「2つのイメージをいかに忘れないように結び付けるか」ということと、「イメージできないものをいかに鮮やかにイメージ化するか」という2つの技術(アイデア・テクニック)に収斂(しゅうれん)します。

 そして、この記憶術を実用レベルまで確実に身につけるには、正しい方法で段階的にトレーニングする必要があります。記憶術は体系的な技術ですから、方法を知ればすぐにできるというほど単純なものではありません。特に、イメージ変換法について、豊富な例題で詳しく解説してない書籍(教材・テキスト)では、修得できる可能性は少ないでしょう。

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