記憶法&発想法―頭がよくなる脳の使い方
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記憶と想像力と記憶術

機械的な単純記憶力をカバーする2つの性格・能力とは?

  あなたは自分が記憶力が良いほうだと思いますか? それとも悪いほうだと思いますか? こんな質問をするのは、ひと口に記憶力といっても、覚えるものによって記憶の働きが異なってくるからです。

 例えば、「中学・高校時代に理科・社会は覚えるのが苦手だったけど、英語は得意だった」とか、「勉強の暗記はダメだったけど、サッカー選手の名前や特徴ならたくさん知っている」というような方は少なくないと思います。また、記憶には言葉の記憶の他に、人の顔、風景、道順、歌のメロディー、体験した思い出…などの記憶があり、それぞれ人によって得手不得手があります。脳の働く場所が少しずつ違うのでしょうね。

 でも、一般的に「記憶力」という場合は言葉の記憶、それも様々な専門用語や化学物質などのカタカナ語、地名、人名、数字などの記憶を指すことが多いようです。各種試験に直結するこれらの記憶には、時間をかけて繰り返し学習するのが宿命のように思われています。

 これらの記憶力に影響を与えているのが、関心の強さと理解力です。多くの方が「記憶力」だと思っているものは、実は「機械的な単純記憶力+好奇心+理解力」なのです。理解力は基礎力の積み重ねと直観力から生まれますが、好奇心は心の問題です。人によって面白いと思うものが異なるのは、ある程度仕方のないことでしょう。

「言葉の記憶」に「イメージの記憶」を利用すると忘れにくい

 さて、ここからが本題です。記憶と想像力はあまり関係ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、記憶を助ける理解は「想像する力」によってより素早く得られます。

 また、想像力は好奇心を刺激します。言葉の羅列の中に写真やイラスト、図解などが入ることで理解と記憶がよりしやすくなることは、誰でも知っていることでしょう。

 以上のように、記憶を確かなものにするためには〔想像(イメージ)―理解―記憶〕という3段階の装置があり、理解力がカギを握ることになるのですが、実は中間の「理解するプロセス」を省略して覚える方法があります。

 それでは機械的な記憶力に逆戻りではないかと思われそうですが、逆なのです。その方法とは「言葉の記憶」に「イメージの記憶」を利用することです。言葉をいったんイメージに変えて、頭の中に鮮烈にインプットして覚えるのです。これは「人の名前は忘れても、顔は忘れない」、あるいは「百聞は一見にしかず」という現象を引き起こす、脳の特性を利用しています。もうお気づきかと思いますが、そうした原理によって成り立っているのが記憶術です。

記憶術はこんな単純な方法だった!

 ギリシャの科学者・哲学者、アリストテレスは、記憶にとって五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を働かせることが大事で、その中でも特に視覚の果たす役割が大きいことを見抜いていました。記憶術は頭の中で覚えるべきイメージを空想することによって、記憶をしっかり定着させる技術で、アリストテレスの時代のギリシャで“発明”された方法です。

 具体的な記憶術の方法は、あとで「記憶術初心者講座」のページをじっくりご覧いただくとして、ここでは簡単に一例を挙げて説明しておきます。

 記憶術では、言葉をいったん視覚的なイメージに変えて、2つのイメージをドッキングさせます。例えば中学の地理で、「久留米」「ゴム」を結び付けて覚えなければならないとします。どうイメージしてもよいのですが、一例として「久留米」を「グルメ(な紳士)」とイメージし、「ゴム」は「ステーキの形をした硬いゴム」をイメージするのはどうでしょうか。すると次のように、2つのイメージを組み合わせたストーリーができ上がります。

〔久留米―ゴム〕 
イメージ例 : グルメな紳士がゴムのステーキを噛み切ろうとして(苦しんで)いる


…というような場面を空想するだけで、もう「久留米といえばゴム」と一発で覚えられます。今流行の脳科学的に言えば、右脳・前頭葉の働きで記憶が瞬時にしっかりと定着するわけですね。

 大事なことは「グルメな紳士」と「ステーキの形をしたゴム」を生き生きと頭の中に空想することです。人間ならだれでもできるはずです。記憶術はまるでマンガのようにたわいのない、時には現実にはありえない出来事を頭の中で想像しながら覚える方法なので、やり方のコツをつかめば、暗記の勉強が楽しくなります。そしていつの間にか、想像力や連想力、創造力などが強化されるでしょう。

逆転の思想=記憶術は「空想力、創造力を鍛える」

 空想力が豊かで創造力のある人は、教えられたことしかできない「マニュアル人間」と比べると、勉強や仕事をはじめ人生のあらゆる場面で、潜在能力を思う存分発揮することができるでしょう。その空想力や創造力を鍛えるのに記憶術のトレーニングがとても効果的だということがわかってきました。

 記憶術の目的はもともと、「大量の暗記事項を一挙に、しかも確実に長期記憶すること」でした。その副産物として想像力や創造力が強化されるとか集中力がつくといった“おまけ”があったわけですが、ここで発想を逆転してみたらどうでしょうか。つまり、「創造力を鍛えるために記憶術のトレーニングをし、その副産物として素晴しい記憶脳力を身につける」ということです。

 大成功をした方のほとんどは、物事を逆転させて見ることにたけた人です。大部分の人が気づかない、あるいは気づいていても実行しないことを楽しみながらやってのける人に、成功のチャンスが転がり込んでくるのです。記憶術を単なる「目先の受験のための道具」としないためにも、ぜひ、記憶術の隠れた威力に注目してください。

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