記憶法&発想法―頭がよくなる脳の使い方
記憶術とは
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「大事件や珍しい出来事は忘れない」ことを利用

 私が田舎で中学校に通っていたときの出来事です。一人の男子生徒が、珍しい蛇を捕まえたと言って、理科室にやってきました。すでに周囲は騒がしくなっています。みんなが集まっているから、あまり期待せず私ものぞきこんでみました。

 当時の田舎では、家の周りや学校で数種類の蛇の姿を頻繁に目にしましたから、蛇を捕まえることなど当たり前。私だってシマヘビの尻尾をつかんで持ち上げ、鎌首をもたげながら攻撃してくるのを楽しんだ経験が何度もあります。蛇ごときで驚いていては男じゃない! という時代だったのです。

 でも、その日の蛇はかなり変わっていました。あんなものを実際に目の前で見るのはあとにも先にも一回だけ。衝撃でした。何と、その蛇には頭が2つあったのです。シャム双生児の蛇版? それともキングギドラのなり損ない?

 その日の理科室の光景と、2つの頭を持った蛇の生々しい姿は一生忘れません。

 「珍しい事件は忘れない」ということを説明するために、他人にとってはどうでもいい体験を長々と書いたわけですが、この極めて個人的な体験が記憶にとっては重要なのです。記憶術はこの個人的に深く印象に残ったことを利用するものです。

自分にとって大きな社会的事件も記憶に残る

 日常生活のつまらないことや、毎日のように三面記事に載っている瑣末な事件は、時間とともに忘却のかなたへ追いやられてしまいます。でも、世間を騒がした歴史に残る大事件は忘れないものです。

 また、さほど大きくなくても物理的に近い場所で起こった事件は、いつまでも記憶に強く残ります。たとえば自分の街で起こって新聞の片隅に載った小さな事件、あるいは身近な人が遭遇した新聞に載るほどでもない小事件などは、記憶に刻みこまれます。

 
 私は小学校高学年の頃、学習雑誌に載っていたある記事を読んで、自分が想像で描いた光景(イメージ)がいまだに忘れられません。それはヨーロッパのある街に魚がたくさん降ってきたという話です。竜巻で巻き上げられた魚が雨雲に乗って、海から遠い街に雨とともに降ったというのが真相ですが、子供の私には胸が躍るような出来事だったのです。

 社会的事件は、客観的に重要だとか影響が大きいとかではなく、それを知った人の心(感情)に どれだけ深く入り込んだかで、記憶の強さが決まります。

 逆に言えば、直接の体験だろうが学習だろうが、心に響かないことは早く忘れてしまうということです。そしてここに記憶術のヒントが潜んでいます。

 ここでは、覚えようとしなくても無意識に深く刻まれてしまうイメージを、記憶術は利用するのだということを心にとどめておいてください。

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