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短期記憶と長期記憶の違い

 記憶にはすぐに忘れてしまう記憶と、長期間忘れない記憶があることは誰でも気がついています。脳科学でも短期記憶と長期記憶を区別していますが、短期と長期の境目がどの辺にあるか、わかりますか?

短期記憶(ワーキングメモリー)

 短期記憶は、20秒以内、長くても数分以内に消えしまう記憶をいうのだそうです。それ以上長い記憶はすべて長期記憶。ちょっと大雑把な感じがしませんか? 10分間の記憶も10年間の記憶も、同じ長期記憶だなんて…。

 でも、この分け方は時間の長さによるものではなく、コンピュータに例えるなら「一時ファイル」と「名前をつけて保存」したものの違いなのです。仕事や日常生活の中で物事を継続して行う場合、記憶の一時ファイルが絶えず活躍することになります。

 例えば、私たちが会話をするとき、相手のしゃべった内容を覚えているから、それに関連する会話が続けられるわけですね。言葉や数字を見て書き写す場合も同様です。こうした記憶の一時ファイルは近年、「ワーキングメモリー」という用語で一般に浸透するようになりましたが、誰もが無意識に行っている脳の機能にすぎません。ワーキングメモリーは用が済めば自然に忘れるようにできています。不要な記憶を忘却するのも、脳の大事な働きのようです。

 なお、ワーキングメモリーは訓練すれば、一度に覚える量を増やすことはできますが、次に述べる長期記憶につながるものではありません。

長期記憶

 私たちが短期記憶した情報のうち、必要なものは脳のさまざまな働きによって大脳皮質に長期保存されます。しかし、その記憶はパソコンのように永久に保存されるのではなく、徐々に失われていきます。

 

 長期記憶が忘れられていくメカニズムは、まだはっきりとはわかっていません。一つ確かなことは、いつも記憶を引き出して使っているとか、時々思い出すようなことは忘れないということです。外国に移住して何十年もその国の言葉しか使わないと、母国語でさえも忘れる人がいるそうです。

生存にとって必要がない(と脳が判断した)ものは忘れやすい」のだと、ナントカという学者が本に書いていました。学校の勉強も、生き延びていく上で緊急性を感じないから、忘れやすいのでしょう。

 私たちの脳は、人類が木から降りて狩猟生活に入り、初期の農業を始める頃までの、途方もなく長い時間の中で進化したと考えられています。その後は、文明の急激な発達に、生理学的な進化が追いつかなくなっています。現代のような情報化社会に脳のDNAが追いつくためには、まだ何百年、何千年かかるのやら……

なお、長期記憶について心理学では、エピソード記憶、意味記憶手続き記憶、プライミング記憶の4つに分類して区別しています。

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