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好奇心(CQ)を伸ばす方法―大人編

   前ページ〔CQ(好奇心指数)が仕事や学習に重要〕からの続き

 近年、ビジネスや教育の分野では、「IQ(知能指数)やEQ(心の知能指数)と同じくらいに、CQ(好奇心指数)が大事だ」ということが言われています。ここでは、CQを伸ばす方法について考えてみたいと思いますが、その前に、CQの“”にはいろいろな意味が付加されていることについて触れておきましょう。

CQの多様な意味=それは
すべて創造力につながる

 好奇心指数(Curiosity Quotient)を表わすCQに関しては、好奇心というものをより具体的に表す概念として、次のような言葉がいろいろな人から提唱されています。

  Communication Quotient(コミュニケーション指数)
  Cultural Quotient(文化指数)
  Children Quotient(子ども力指数)


 これらの“CQ”は好奇心(Curiosity)が創造性(Creativity)を生み出すためのキーワードとなっているといってもよいでしょう。

子供時代の好奇心を現代に取り戻そう

 3つのCの中で、「CQを高める方法」の一番近くにあるのが、Children Quotient(子ども力指数)であることに気がつきましたか? 子供はだれでも好奇心の塊です。そして、大人を質問攻めにします。たわいもないことを面白がり、遊びを創造します。他には目もくれず、好きなことに集中します。そして熱中します。同時に、新しいこともやりたがります。遊びの輪の中に自然に入っていけます。

 自分の子供時代を振り返り、いかに好奇心が強く、いろいろなことに熱中したかを思い起こしてください。大人に成長する過程で、あるいは社会に適応していく中で、少しずつ失っていったあの無垢で新鮮な心を取り戻してみませんか。好奇心を取り戻すことによって、あなたの大脳は活性化するでしょう。

 そのために心がけなければならないことが一つあります。それは自分が現在まで歩み、築き上げてきたもの(小さな山の頂上)に安住しないということです。呼吸している限り、人生に終わりはありません。世界が、そして社会が目に見えない速度で変化し続けるように、人もまた生きている限り、少しずつ変わっていかなければなりません。そのことを意識することが、好奇心という新鮮な心を取り戻すコツといえるでしょう。

多様なカルチャーに触れること

 次に、Cultural Quotient(文化指数)という面からも好奇心を考えてみましょう。

 歴史をひも解くと、異なる2つの文化がぶつかり、融合したところに斬新な新しい文化が生まれています。日本の伝統文化にも、中国や欧米などから入ってきた文化や技術を、日本の風土の中で発展させることで生まれたものが、数多く存在します(たとえば茶道、華道、将棋、各種洋風料理など)。

 また、日本が世界に誇るアニメ文化も、西洋風と日本風、SFと古代神話、愛と残虐性、美とグロテスク、幼児性と哲学性‥‥など、相反する世界が共存または融合する「世界観」の創出によって、グローバルな支持を得たともいえます。

 

 ここでいうカルチャーとは芸術、芸能、出版、ファッションなどの分野に限りません。スポーツやゲーム、料理から、各種イベント、趣味・娯楽に至るまで、極論をいえば生活のすべてが「カルチャー」なのです。

 「創造は、異質なものの結合や融合によって生まれる」という考えがあります。また一方では「模倣のない創造はない」とも言われます。両者は一見、異なる考えのようで、実はほぼ同じことを言っている、と考えることができます。

 いずれにしても、現代という混沌とした社会の中で生きるには、これまで自分が築き上げてきたカルチャーの殻に閉じこもらず、様々なカルチャーに情報のアンテナをめぐらせることが大事です。その中で、何か新しいことに興味を持ったら、体験してみること。そしてそれにかかわる人たちの感性や生き方に触れることが、発想を豊かにし、思考の殻を打ち破っていくきっかけとなります。世の中が絶えず変化していくように、人もまた「好奇心という武器」さえ捨てなければ、環境の変化に取り残されることなく、生涯、変わり続けていけるでしょう。

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